国立国語研究所のことばのQ&Aを読んでいると、その回答がとても心地よいです。
「申し訳ございません」の話の最後に、この記事のタイトルが使われていました。
2015年の回答で、いつ読んでも軽妙であり、素敵でした。
残念ながら、この記事はなくなってしまいました。
もともと「申し訳ない」が一つの言葉なので、「申し訳ございません」という言葉は正しくないというわけです。この点を突いて、とある方が取引先の方に「申し訳ございません」と言ったら、正しくないから言い直せと叱られた、というエピソードでした。それに対し、この記事のタイトルの返答でした。
言葉の正しさに気持ちがとらわれ、「申し訳ないでございます」と言ったら、謝罪している気持ちが乗らない様子になってしまうのではないか?というわけです。
「申し訳ない」の「ない」だけが変化して「申し訳ございません」という言葉ができ、そして定着していくという言葉の変化の仕方も面白いです。
ことばのQ&Aは、新たにことば研究館の国語研の窓の1コーナー「ことばQ&A」として継続されています。
国語研の窓「ことばQ&A」→ https://kotobaken.jp/category-mado/mado_qa/